
略称:陜(shan)
人口:3596万人
面積:20.5万k㎡
省都:西安(xi'an)
省政府所在地:西安新城内
六大地域分類:西北
陝西省(せんせいしょう)は中国内陸部の奥地にあり、黄河の中流流域に位置する。北は万里の長城、東は太行山脈に囲まれた黄土高原。シルクロードの東の起点があった。東部から西部に向かい、南北を結びつける地理的位置に恵まれ、沿海各地に通じる窓口にもある。東は連雲港から西はオランダのロッテルダムまでの「新ユーラシアランドブリッジ」は、アジアとヨーロッパにまたがる国際的な大経済動脈で、ここ陝西省の中部を横断している。山西、河南、湖北、四川、甘粛、寧夏、内蒙古など7つの省・自治区と隣接し、総面積が20万5600k㎡に及ぶ。南北の長さが1000km余り、東西の幅は約360km。
陝西省は秦の都・咸陽、前漢・唐の都長安が有った地である。北部の延安は中国革命の聖地として名高い。歴史上北方民族の侵入にされされてきた。
歴史
陝西省は中華文明発祥の地の一つ。80万年前には藍田猿人が生息し、20万年前には大茘人が、6000年前には半坡人が居住していたことが証明されている。西周時代は王朝の都となり陝西と名づけ、西安付近が首都・鍋京に定められた。唐代に入ると陝西節度使が置かれ、都が長安(現・西安)に定められた。宋代には陝西路、元代では陝西行中書省、明代に陝西承宣布政使司が置かれた。その後清代に陝西省となる。西周時代から唐代まで1100年余りの間に13の王朝が陝西に都を建てた。
観光
陝西省域内に散在している72の歴代の帝王陵墓は、当時の社会の経済や文化を再現するための証拠となっている。黄帝陵、兵馬 、法門寺、西安碑林、陝西歴史博物館、西安古城壁など「十大観光スポット」は、いずれも「中国の最たるもの」と称される。秦の始皇帝陵と「世界第八大奇跡」と称される兵馬 はユネスコによって世界文化遺産リストに登録されている。
地形
陝西省の域内には、山間地帯もあり、平原もあり、地形が複雑である。南北が高く、中央部が低いのはその基本的な特徴。北から南へと、三つの特色ある自然区域が形づくられ、北部は陝西北部黄土高原で、中央部は「八百里秦川」と称されてきた関中平原、南部は秦巴山区である。
陝西省北部の黄土高原は標高800~1300㍍、総面積の約45%を占める。
関中平原は西は宝鶏から東は潼関まで広がり、標高は平均520㍍。
陝西省南部の秦巴山区は、秦嶺、巴山、漢江渓谷地帯を含め、 陝西省の総面積の約36%を占める。秦嶺は標高1000~3000㍍、陝西省の最南部にある巴山は海抜1500~2000㍍。
鉱物
陝西省で埋蔵量が判明しているものは91種を数え、そのうち、中国の上位10位以内にランクされているものが58種に上る。例えば、金の埋蔵量は第5位、生産量は第4位を占め、モリブデンの生産量は中国の2分の1を占める。石炭の判明されている埋蔵量は1618億㌧で、陝西省の鉱物資源のトップを誇る。目下開発中の北神府炭鉱は、埋蔵量が1340億㌧に達し、炭層が厚く、炭層が浅いところにあるため、採掘しやすいし、良質の動力用炭として世界でまれに見るものである。陝西省の北部には、世界有数の天然ガス田があり、すでに判明している埋蔵量は3500億立方㍍に上る。
水資源
秦嶺を境として、その北側の河川は黄河水系に属し、その南側の河川は長江水系に属する。黄河水系は渭河、涇河、洛河、無定河などを含み、長江水系は漢江、丹江、嘉陵江などを含む。陝西省一の大河は漢江で、その年間流量は陝西省総流量426億立方㍍の半分を越える。その豊かな水資源によって1400万㌔ワットの発電が可能である。
生物資源
陝西省の森林面積は593万㌶、被覆率は28.8%に達し、主に秦巴山区、関山、黄竜山、橋山などの山間地区に分布する。陝西省の野生の植物は3300種余り、そのうち希少植物が37種、薬用植物が約800種ある。沙棘(グミの一種)、絞股藍(アマチャヅル)など保健薬用植物の資源が豊かで、かなりの開発価値がある。漆は生産量、品質とも中国一を誇り、ナツメ、クルミ、桐油は昔から地元の輸出品である。
陝西省には野生の脊椎動物が750種あるが、そのうちに希少動物が79種、パンダ、キンシコウ、ウンピョウなど国によって重点保護動物と指定されているものが12種ある。
航空
西安空港は、各種大・中型航空機が離着陸できる国家一級空港である。西安空港所属の威陽空港は、西北地区最大の航空センターで、すでに開設されている航空ルートは51本の国内線を含めて119本にも上った。