
略称:青(qing)
人口:503万人
面積:72万k㎡
省都:西寧(xining)
省政府所在地:
六大地域分類:西北
青海省(せいかいしょう)は「青」と略称され、省内には中国最大の内陸塩湖である青海湖があるためこう名づけられた。
青海省は中国西部地区にある青海・チベット高原の北東部に位置し、新疆 、甘粛、四川、チベットの四省・自治区に隣接している。青海省は長江、黄河、 瀾滄江の源のあるところ、「三本の河の源」と称されている。総面積は72万k㎡で、全国の各省、自治区の中で4位を占めている。そのうち、草原面積は3160万ヘクタール、耕地面積は58.99万ヘクタール、森林面積は25万ヘクタールであり、そのほかは高い山、湖沼、荒野、砂漠、氷河などである。
観光
高原の少数民族風情を主とする観光資源も豊富で、「百鳥の王国」といわれる青海湖に浮かぶ鳥島、「高原のシーサンパンナ」とたとえられている孟達自然保護区、湟中県にあるチベット仏教の名高い寺院タール寺、中国の西北地区にあるイスラム教四大モスクの一つに数えられている東関大寺、アニエマチュン大雪山などがあり、そのすべては登山、観光の名所である。「青海とチベットの喉」といわれている日月山、全国最大の人工ダム竜羊峡、都蘭国際狩猟場、カンブラ森林公園などの観光地は新たな経済成長のスポットとなっている。
行政区画
1724年、雍正のチベット分割の際に清朝がグシ・ハン一族より接収したチベット東部の最北部に「青海」地方が設けられた。その領域は西寧辧事大臣管轄下の青海蒙古四十旗と、チベット系、モンゴル系の諸侯40家からなる青海四十族の所領を合わせた範囲で、青海蒙古四十旗は盟旗制、青海四十族は土司制によって管理された。
世襲の領主に所領を安堵する盟旗制、土司制度は、辛亥革命によって成立した中華民国、また1928年にこの地に省制度を敷いた南京国民政府のもとでも、引き続き維持され、廃止されたのは中国人民政府によってである。
青海省は下部に1市、1地区、6自治州を管轄する。
市
- 西寧市(省政府所在地)
民族と民族の分布
青海省は多くの民族が集中して住んでいる省である。同省には55の民族が住んでおり、少数民族の人口はあわせて235万600余人、同省総人口の45.5%を占めている。昔から青海に住んでいる少数民族はチベット族、回族、トウ族、サラ族、蒙古族などがある。その中のトウ族とサラ族は青海省特有の少数民族である。少数民族の人口が同省総人口にの占める割合はチベット族が21.89%、回族が15.89%、トウ族が3.85%、サラ族が1.85%、蒙古族が1.71%。
地形
青海省は中国の地形の三大階段の第1段にあり、大部分の面積は「世界の屋根」といわれる青海・チベット高原にあり、高い山、峡谷、盆地、高原、台地などの複雑な地形を呈している。同省の平均標高は3000メートル、そのうち標高4000~5000メートルの地域は同省総面積の54%を占めており、最も低いところの標高は1650メートル、最も高いところの標高は6860メートル。北部と北西部は山々とくぼ地、南部は青海・チベット南部高原、東部は河湟くぼ地で、その中に小さな面積の盆地と台地が散在しており、西部は主にツァイダム盆地(柴達木盆地)である。地形が多様なため、さまざまな動物の生息と植物の生長に適し、すばらしい経済発展の展望がある。
気候
標高、地形、緯度、大気環流などの自然要素の影響を受けているため、青海省はユニークな高原大陸性気候を形成している。その主な特徴は冬が長くて寒くなく、夏は短くて涼しい。気温は地域によってはっきりした違いがある。垂直の変化も著しく、降水の分布は地域によってはっきりした違いがあり、降雨期が集中している。同省の年間平均気温はセ氏マイナス5.6度~8.7度、南東部の年間降水量は450~600ミリ。
土地
広々とした青海省の天然の草原は中国の五大牧場の一つであり、牧草地の面積は3160万ヘクタールに達し、全国の利用可能な草地面積の15%を占めており、牧畜業発展の基礎がしっかりしている。広々として肥沃な草原には、天然の牧草が940余種も生えており、そのうち、栄養価値の高い良種の牧草は190余種もあり、粗蛋白質や粗脂肪が含まれ、低粗繊維の特徴をもつ。飼育されている草食の家畜は主にチベットメンヨウ、ヤク、ウマ、ラクダ、ヤギなどで寒さに強い。特にヤクは青海・チベット高原の良種の家畜であり、その頭数は全国トップで、世界のヤク飼育頭数の三分の一を占めている。
鉱物
青海省は資源が豊富な省で、すでに発見されている鉱物は125種類もあり、現在までに埋蔵量の確認されている鉱物は105種類あり、そのうち中国の前10位に入るものが50種類あり、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、リチウム、臭素、硫酸ナトリウム、アスベスト、石灰岩とケイ素など11種類が中国で1位を占めている。国の建設で至急必要とする45種の鉱物のうち、青海省は全国で上位10名を占めているものが21種もある。著名なツァイダム盆地は昔から「資源の宝庫」と称されており、石油と天然ガスの資源が豊富である。そのうち、塩湖が30余カ所もあり、確認済み埋蔵量は700億トン。青海省は非金属鉱物資源も豊富で、石綿、カーバイド用石灰石、蛇紋石、ガラス用石英岩、冶金用石英岩の埋蔵量は全国で前列を占めている。石綿の埋蔵量は全国でトップを占めている。青海省のツァイダム盆地の石油、天然ガス資源は優れた採掘条件を備え、ツァイダム盆地では油田16カ所、ガス田6カ所が発見されている。全国第2次盆地石油・天然ガス資源評価結果によると、ツァイダム盆地の石油資源の埋蔵量は12億4400万トン、確認済みの埋蔵量は2億トン、天然ガス資源の確認済み埋蔵量は472億立方メートルとなっている。
生物資源
野生の植物では、1000種の工芸作物が発見され、薬用植物は大黄、甘草、貝母、雪蓮花、黄耆、党参、チベット茵陳、羌活、冬虫夏草、柴胡など百余種もあり、とくに冬虫夏草はよく知られている貴重な漢方薬材である。同省には鳥類が290、動物類が109種もあり、国の1級重点保護指定を受けている野生動物は21種で、2級重点保護指定動物は53種、省クラス重点保護指定動物は36種。「絶滅に瀕している野生動・植物種の国際貿易条約」付録Iと付録IIに組み入れられた希少動物は22種となっている。
エネルギー
エネルギーについていえば、黄河上流の水力発電資源は青海省の最大の強みであり、178カ所の水力発電所があり、総設備容量は2166万㌔ワットに達し、開発利用可能な資源は1800万㌔ワットで、年間発電量は770億㌔ワット時である。建設を計画中の中型水力発電所は7カ所もあり、発電容量は1103万KW、年間発電量は368億KWHで、水力発電所の工事費は全国平均レベルより20%~40%低い。
太陽熱、風力、地熱などのエネルギー資源も豊富で、国内では地熱資源が上位にランクされている。
鉄道
蘭青線、青蔵線の幹線及び4本の支線、59本の専線が全省を東西に横貫し、総延長は1300余㌔である。1999年末現在、旅客輸送数と貨物輸送量はそれぞれ延べ200万人、585万㌧に達した。