地級市とは、中華人民共和国の地方行政単位であり、地区、自治州、盟とともに二級行政単位を構成する。省クラスの行政単位と県クラスの行政単位の中間にある地区クラスの行政単位である。地方によっては「区級市」と呼ぶこともある。
1983年11月5日に制度化され、地区から地級市への編成替えが進行した。地級市はその内部に都市部の何倍もの農村部を含んでいるため、厳密な意味では市(city)とは言えない。地級市は地区(prefecture)の後身であり、英語ではprefecture-levelcityと訳されるように、その内部には県(county)、県級市(county-levelcity)を含む。
地級市の核心をなす地域には市区が設定されている。また武漢のように都市化が進んだところでは市区だけで構成される地級市もある。
これまでの再編成の結果、辺境の雲南省、貴州省、青海省や新疆ウイグル自治区、西蔵自治区(チベット)以外の地域では地級市の比重が圧倒的に増えている。この再編成は現在も進行中である。
地区が地級市へ移行できる基準は次の通りである。
- 都市部の非農業人口が25万人以上いること。
- 地域の生産総額(GDP)が2億人民元以上あること。
- 第3次産業の比重が第1次産業を上回り、GDPの35%以上あること。