
略称:粤(yue)
人口:7143万人
面積:18.6万k㎡
省都:広州(guangzhou)
省政府所在地:
六大地域分類:華南
広東省(かんとんしょう)は中国大陸の最も南に位置し、陸地面積178,000平方㌔、海島の面積1,600k㎡、南は南中国海に面し、海岸線の長さは3,368km、島がたくさんある省である。低い緯度に位置し北回帰線がその真中を横切っている。全長2,122km、中国第3の河川である珠江の河口一帯には肥沃な珠江デルタが広がっている。
広東省は肥沃な土地と水量豊かな珠江に恵まれ、物産が豊か。また、古くからの国際貿易港として栄えている。米、シルク、熱帯果実、漢方薬、ゴム、石油、電気機器、洋服、玩具、象牙、玉、陶器などの重要な生産基地の一つとなっている。現在、深セン、広州、珠海、汕頭などは中国の経済開放製作の拠点として良好な投資環境を創っている。また、『食は広州にあり』という言葉もあるくらいで、「食い倒れ」の評判が高い。
歴史
古代は「南越」の領土。「南越」というのは古代中国の南方にいた「百越」の中の一部族。戦国時代は百越の地となる。秦代は両郡、漢代は交州、唐代は嶺南道渡と称した。宋代に入り広南東路と西路が置かれ、元代には江西行中書省に属した。明で広東布政使司に改められ、清代に広東省となる。近代に入って起こったアヘン戦争、辛亥革命などで有名な革命の聖地。「中国革命の窓」とも呼ばれている。
料理
広東料理は、四川料理、山東料理、江蘇料理と肩を並べる中国四大料理の一つ。
広州料理、潮汕料理、東江料理からなる。
味は比較的に淡白で、魚介類を多用する。食材は多種多様。
1980年代中頃から広東の経済的地位の上昇にしたがって、広東料理はそれまでの境界をこえて中国の奥地にまで浸透し、一時は広東料理を食べることが時代の先端とされるほど広く人気を得た。
観光
広東省には省クラス以上の観光スポットとして森林公園40ヵ所、自然保護区30ヵ所が開発されている。広州、深セン、珠海、肇慶のほか、中山、仏山、江門、汕頭(スワトウ)、恵州及び南海などの都市も「中国の優秀観光都市」として認められている。中でも中山市は市クラスのランキングの第一、南海市は県級市クラスのランキングの第二を占めている。広東・香港・マカオ・グレート・トライアングレ観光区の建設も飛躍的に進展し、珠江デルタ、汕頭等10の市で「144時間便利ビザ」を実施することを国務院に許可された。広州の白雲山と香江野生動物世界、深センの華僑城と観瀾ゴルフ会、珠海の円明新園、中山市の孫中山旧居、肇慶の星湖、仏山の西樵山、韶関の丹霞山、清遠の清新温泉、陽江海陵島大角湾など11ヵ所が全国で初めての最高クラス4A観光区に評定された。
地形
広東省は北高南低、山地・丘陵、平野・台地が交じりあっている。そのうち山地は31.7%、丘陵は28.5%、台地は16.1%、平野は23.7%。土地面積は180000平方㌔、そのうち耕地面積は312万㌶、林業用地面積は1025万㌶、荒れた草地面積は57万㌶。
気候
広東省の大部分は亜熱帯気候。夏は長く冬は暖かい。雨が多くて年間平均降雨量は1366㍉、年間平均蒸発量は1100㍉、年間平均気温は22度、年間平均日照時間は1828時間。さまざまな植物が年中生い茂っている。
鉱物
広東省の鉱産資源は非常に豊かで、すでに発見された鉱産物は116種類があり、埋蔵量の確認済みのは89種類ある。広東省全域の石炭、鉄鉱石、硫鉄鉱の埋蔵量はそれぞれ5.47億トン、5.53億トン、4.45億トンに達する。そのうち全国上位5位にランクされるのは34種、泥炭、石英など全国のトップに立つ。
生物資源
広東省全域の57%は森林に覆われ、立木の蓄積量は3億立方㍍。広東省は広大な海に面しており河川が多いためダムや魚類養殖場も多く水産資源が豊かである。海水養殖面積は78万㌶、淡水養殖面積は43万㌶。農業は稲、野菜、果物を主とする。湛江は剣麻の最大の産地、茂名は果物の最大の産地。樹木は松、梓、杉、ユーカリなどが主である。果物は200余種、そのうちパイナップル、バナナ、レイシ、竜眼、ミカンが一番有名である。