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抽象的な表現のメニュー - 中華料理大全

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抽象的な表現のメニュー



中華料理の名前には一定の法則があるが、必ずしも料理に使われている材料名が料理名になっているわけではなく、抽象的な表現の料理名も多い。

日本料理やフランス料理などに「旬の〇〇」「季節の〇〇」「本日の〇〇」といったメニューがあるように、中華料理にもこういった表現のメニューがある。

もっともよく目にするのが数字を使ったメニューである。例えば、「川四宝」とメニューに書かれていれば、4つの良い材料を使ったスープという意味なの、季節によって、あるいは日によって材料は変わってくる。日本語で表現すれば「日替りスープ」である。気のきいた店なら「旬の素材のスープ」となるかもしれない。材料が特定されていないため、店側としては実に好都合なメニューである。

料理名の数字は「一」は最高を表し、「双(2)、三、四、五、六、七、八、九」は材料の種類の数を表す。「百頁」や「千張」などは薄いものが重なりあっている形容である。
「十景」や「什錦」は材料の数が多いときに使われる。日本語では「什錦炒麺=五目焼きそば」というように「五目」と訳されることもある。もちろん、この「五目」の材料に定義はない。

また、中華料理には表現の美しい便利な言葉がたくさんある。「芙蓉」「翡翠」「水晶」「珊瑚」などである。例えば「翡翠」は緑色を形容する言葉であるが、これを料理名に用いれば、ソラマメにするかグリンピースにするか、あるいは他の材料にするか、その日、その場で店側が選択できる。応用範囲が大変広いのである。また、このように表現された料理のほうが、メニューを見た客側も美味しそうに思えるのである。

青菜はチンゲン菜に非ず anchor.png

メニューに「チンゲン菜の炒めもの」と表示されたものと、「炒青菜」と表示されたものでは微妙に違う。
メニューに「チンゲン菜の炒めもの」と表示されていれば、それは間違いなくチンゲン菜を炒めた料理であり、それ以外の料理は絶対に有り得ない。
しかし、メニューに「炒青菜」と書かれていれば、青菜を炒めたものであることは確かだが、その青菜がチンゲン菜である保証ない。
中国語では「青菜=チンゲン菜」である…と誤解している日本人は多い。確かに「炒青菜」を注文すれば、「チンゲン菜の炒めもの」が出てくることが多いが、青菜=チンゲン菜ではない。
「青菜」はそのまま日本語で理解しても間違いではない。日本で「青菜」(あおな)といえば、ほうれん草だったり、小松菜だったりと、「青い菜っ葉」をさすように、中国でも「青菜」(チンツァイ)は「青い菜っ葉」であり、必ずしも「チンゲン菜」というわけではない。
つまり、「チンゲン菜の炒めもの」は、いつでも「チンゲン菜の炒めもの」であるが、「炒青菜」は旬によって、あるいはその日の店の仕入れ具合によって野菜の種類が変わることもあるのである。店側としては材料が特定されていないので、「青菜」に相当するものならなんでも使用できることになる、大変便利な料理名なのである。

青菜≠チンゲン菜
「炒青菜」は「本日の青菜の炒めもの」と解釈すべし…。


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