中国文化と中国人 - 恋する中国

沈缸酒 - 中国酒大全

HOME > 中国酒大全 > 中国の名酒 > 黄酒 > 沈缸酒

沈缸酒



沈缸酒, 51.jpg

沈缸酒(沉缸酒)は、福建省竜岩市産の黄酒で、酒精度は14.5度。糖分は27%の甘口タイプの黄酒である。

沈缸酒は、紹興酒とともに、黄酒の全国名酒に選ばれている。
甘く濃い香りがするのは、紅曲カビと薬曲を使っているからで、米酒の香りは醸造中に生じるため、自然で嫌味がない。コクがあって糖分が強いが、黄酒にある粘っこさはない。糖度、酒精度、酸度が調和よく配合されていて、独特の風味がある。この酒を毎日、適量ずつ飲むと保健強身に効能があるといわれている。

沈缸酒は、醸造中に酒醪に必ず3回の浮き沈みがあり、最後に缸底に沈むことからこの名がある。もしもろみが沈まなかったり、3回の浮沈がないと、酒質も良くない、つまり沈缸酒と呼べないわけである。

沈缸酒は福建省竜岩で醸造されているが、地元には「一斤の酒は九斤の鶏にあたる」という賛辞がのこされている。酒質がすぐれているだけでなく、栄養豊富で、一斤の沈缸酒を飲めば、九斤の鶏肉を食べたのと同じ効果があるという意味である。

沈缸酒の起源は17世紀、明末清初のころだといわれる。
沈缸酒のルーツは、竜岩県城から三十里ほど離れた小池山溝にある。その昔、上坑県にほんのわずかな人が集まって紙をすいている小さな村があった。ある年のこと、上坑の白沙地方から五老官という酒造りの杜氏が村にやってきた。小池山溝の水源を調査し、水質が特に良いことがわかり、酒の醸造をはじめたのが起源である。
冬酒としてほんの少し糯米甜酒を醸したのが最初で、もろみ酒をカメに入れて土に埋め、3年後に飲んでみたら、味は甘くまろやかだが酒精度が低かった。そこでもろみ酒に酒精度20度前後の米焼酒をくわえ、搾って酒を得るようになった。それを老酒と呼んでいる。その後、糯米のもろみの中に三干を混ぜるようになった。それがしだいに沈缸酒の基本になっていった。
三干とは、十八斤の米を原料にして約十斤の酒精度50度の米焼酒を造る方法である。
まず、六斤の米を用いて醸造、蒸留して十斤の低度酒を造る。それを第二次醸造の六斤のもろみにまぜて蒸留し、また十斤の酒にする。その十斤をさらに第三次のもろみ酒にまぜて蒸留し、十斤の酒にするが、そのとき酒精度は50度以上に達しており、三回蒸留するため、三干と呼ばれる。

沈缸酒は良質の糯米を原料にし、高温発酵に耐えられる性質の紅曲と白曲(薬曲)を用いて造られる。この黄酒の特徴は、発酵中のもろみ酒に2回にわたって米焼酒をくわえることである。
1回目にくわえる焼酒の分量は全体の19%前後、これは発酵温度を下げ、酸化度が大きくなるのを避けるためである。したがって、酒の糖度、酒精度、酸度のバランスが良くなる。
2回目は標準の酒精度にするために投入するもので、米焼酒の酒質とできた酒とは大いに関係がある。
沈缸酒の必須条件は、清く澄んでいて香りが濃く、口あたりがまろやかで、苦味と焦げ臭さと渋味がないことである。
醸造中にもろみが3回浮き沈みして底に沈むが、はじめは甘味より酒の味のほうが強く、最後は反対に甘味のほうが強くなる。酒は1年から3年貯蔵して陳醸する。その間に酒精度を18.5度前後から14.5度まで下げる。糖分は22%から27%と高くなり、調和のとれたまろやかな風味になる。


HOME > 中国酒大全 > 中国の名酒 > 黄酒 > 沈缸酒

HOME > 中国酒大全 > 中国の名酒 > 黄酒 > 沈缸酒

中国酒大全 - 沈缸酒

サイト内検索
LINKS
Copyright © 2001 - 2017 Area Zero All Rights Reserved.