
連江元紅酒は、福建省連江県産の黄酒で、酒精度は15~16度。糖分は1%。不甜タイプの酒で、どちらかといえば辛口である。
連江元紅酒は伝統的な名酒で、地元で百年以上の歴史があるといわれている。この地方で有名な玉泉の水で醸すため「玉泉老酒」と呼ばれたり、色が赤いため「全紅酒」などと呼ばれて人々に愛されてきた美酒である。元紅酒と呼ばれるようになったのは最近になってからで、その名のとおり酒質最高の老酒である。
連江元紅酒は、福建の紅曲黄酒のなかでも盛名高く、全国優良酒になっている。
原料は、地元で産する良質の冬糯米を使う。冬糯米は晩糯米ともいい、粒がやわらかい。その米を90%以上精米し、古田の一級紅曲と、この工場特製の58種の薬材の入った薬曲を糖化発酵剤にして醸造するが、必ず新しい曲を用い、古い曲は使わない。
水は泉水か河水を用い、攤飯法で80~100日間、低温発酵させる。それを冬醸春停と呼んでいる。
旧暦の11月に原料の投料をはじめ、翌年の2月にとめるのは日本酒の仕込みによく似ている。搾ったあとで缸に封じ、加熱殺菌してから酒蔵に入れ、1年以上陳醸して、熟成を待ってから市場に出す。