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即墨老酒 - 中国酒大全

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即墨老酒



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即墨老酒は、山東省即墨市産の黄酒で、酒精度は12度。糖分は8%。

中国では、北緯33度あたりを流れる淮河以北の黄酒は、原料に黍米(とうもろこしの粒)を用いることが多く、糯米を原料とする南方の黄酒とは醸造方法も違い、風味も異なる。

山東の名酒、即墨老酒は、黍米黄酒として古くから知られている。この酒が初めて醸されたのは宋代、神宗の煕寧7年(1074)といわれる。
しかし、即墨老酒が中国の各都市へ出回るようになったのは清朝の道光年間(1821~1850)以後で、国外へも輸出されるようになった。その後、第二次大戦後の1949年に新しく即墨黄酒廠が設立され、山東の名酒として全国優良酒の仲間入りをしたのは1963年以降のことである。

即墨老酒の酒液の色は、美しく透き通った黒褐色で、紫紅色をおびている。杯につぐと、かすかに粥が焦げたような香りがする。飲むと甘い香りが爽やかで、ピリッとくるような味はなく、ほろ苦さと余香がのこる。1年以上貯蔵した酒はさらに風味と甘美さを増す。どちらかといえば甘口の黄酒である。

昔から山東省の人々は、この酒のことを、「黒褐色に透き通り、酒杯に満ちてもあふれない。味はまろやか、香りよく、筋肉を伸ばして、血を活かす」と評している。
この古くからの言い伝えを確かめるために即墨老酒を分析したところ、大量のビタミンと適量の澱粉や糖分が含まれており、毎日適度に飲むと新陳代謝を促進させて強身健脳に効き、ほかの薬と併用、または配制しても効用は変わらず、むしろ効力を増すという。

山東省に伝わる即墨老酒の薬効は、感冒薬として用いられるほか、うっ血を散らして血行を良くし、筋肉痛をやわらげ、解毒消腫作用があるといわれている。この酒で河蟹を煮て食べると腰痛、足痛が治り、しかも即効性がある。さらに婦人病にも効くことが証明されており、婦女子が飲むと生理不順、生理痛、産後の腹痛などに効き、産後の肥立ちが悪い人はこの酒で鶏の卵を煮て食べると良くなるという民間療法が伝わっている。

即墨老酒の原料の特徴は、精選された竜眼黍米を使う。このとうもろこしは粒が大きく、黄色で胚の部分が黒い。糖化剤には麦曲を用いるが、必ず伏曲という1年以上寝かせた古い陳曲を使う。
酵母は粥状のとうもろこしの粒と、炒った麦曲を半分ずつ入れ、それに原料の重さの4分の1の白酒をくわえて制成した円形のものに、天然酵母を接種してとった固体酵母を用いて発酵剤にする。
そして醸造用水には、崂山の下流の清冽な九泉水の水を用いる。

醸造工程の特徴は、

  1. 麦曲は投入前に香油をくわえて炒るが、それを炒曲といい、炒る温度は摂氏40度から50度前後。これは邪味を除くのと、減菌、殺菌のためで、酒の香りを増すのに効果がある。
  2. とうもろこしの粒を水に浸して洗浄した後、粥化させるのに煮熬法を用いて粥状にする。色の薄い黄酒を造るときは、粥の色を淡黄色に、色の濃い黄酒を醸すときは紅棕色にする。これは浸米、洗米に関係なく、煮熬するときの時間の長短と温度操作による。この場合は鍋の底とふちを絶えずかき回し、粥化を平均させることがポイントになっている。煮る時間は20~30分前後がいいという。
  3. 即墨老酒には長い歴史があり、醸造には昔から「古遺六法」ということがいわれている。
    1. とうもろこしの粒を平均に揃えること。
    2. 曲蘖(きょくけつ)の時を間違えないこと。
    3. 高温で糖化させること。
    4. 良い空気と水を用いること。
    5. 低温を保って発酵させること。
    6. 必ず良質の陶器を選ぶこと。

の6項目で、現在でもこれを守って伝統的な酒質を保ち続けている。


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