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西鳳酒



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西鳳酒は陝西省宝鶏市鳳翔県柳林鎮産の白酒で、酒精度は65度。清香タイプの大曲酒である。

西鳳酒は、酸味、甘味、苦味、辛味、香味の五つが完全に調和し、酸味があっても渋くなく、甘くてもしつこくなく、苦味があってもねばっこくなく、辛さものどを刺さず、香りも鼻につくほどではない。飲んだ後の甘さはオリーブに似ていて後味がすごくよい、と中国の評論家は褒め称えている。
この酒が好きな人は、「西鳳酒の香りには全宇宙が盛り込まれており、杯をふくめば柳林酒も総帥と称えて身を退く、五味とも完全無欠で名声は広く天下に知れ渡っている」と表現している。

西鳳酒はもともと陝西省の鳳翔、宝鶏、岐山、郿山の一帯で造られていた酒。鳳翔城の西の柳林鎮産が一番有名である。

鳳翔は古名を雍城といい、春秋時代(紀元前770~紀元前476)に秦の穆公が都にしていたところで、この地は周代のはじめから鳳凰が生まれた土地という民間伝説で知られており、穆公の姫君である弄玉が簫を吹いて鳳凰を呼んだという故事ものこっている。
穆公のころの人、簫史は簫が上手で、その妙なる調べは孔雀や白鶴を招き寄せることができた。穆公の姫君弄玉はそれがひどく気に入り、穆公は簫史と姫を結婚させた。簫史が毎日、鳳鳴の調べを教えているうちに、姫も鳳をまねて吹けるようになり、鳳凰が飛んできて屋上に止まるほどになった。穆公が鳳台を建ててやると二人はその上に住み、数年後、夫婦揃って鳳凰とともに仙人になって飛び去ったという話が『列仙伝』にある。

唐代、ここに西府という役所が置かれてから、この地を西府鳳翔と呼ぶようになり、この酒も鳳翔で醸されるところから西鳳酒と呼ばれている。当時、この酒は、「甘泉佳醸、清冽醇馥」という評価で、すでに世に聞こえた珍品とされている。
北宋のとき、蘇軾が26歳で鳳翔府節度判官庁事として開封から赴任し、この酒を愛飲した。彼が「柳林酒 東湖の柳 婦人の手」と詩にうたい、この地の婦女子の精緻きわまりない手芸とともに柳林酒を美酒として賞賛したことから、柳林鎮は早くから名酒の産地として知られるようになった。

明代の万暦年間(1573~1619)には、柳林酒は県城だけでなく、付近の各県で醸造されるようになり、西鳳酒というと鳳翔地区で醸される酒を指すようになった。しかし、酒質は柳林酒が最高である。

西鳳酒廠の記録では、清代の同治年間(1862~1874)に西北の回族が蜂起したとき、清朝の軍隊が鳳翔城を15か月間包囲したことがある。そのとき山西からきた酒の商人が場内におり、篭城中に西鳳酒の醸造を手伝い、郷里に帰ってから自分で西鳳酒に近い酒質の酒を造るのに成功したという話が伝わっている。

西鳳酒は宣統元年(1909)に南洋博覧会で入賞してから一躍国際的になった。第二次大戦後は、1953年の全国第一回品評会で全国八大名酒に選ばれ、四大白酒のひとつになったが、この酒も消滅しそうになったことがある。
歴史的には名声のあるこの酒も、長い間、小さな工場で分散して醸造していたため酒質が一定しなかった。また国民政府時代は、役人と軍閥に痛めつけられ潰れそうになっていた。醸造もその辺の水溜りの水とロバの餌を用い、ふいごの火と木のシャベルを使う状態で、生産はストップ寸前だった。
1949年には、柳林の酒造工場のうちわずか7軒がのこっていただけで、まさに絶滅の危機にさらされていた。そのときのことを、「あのころの西鳳酒は落ちぶれた鳳凰と同じで、にわとりのほうがましだった」と、年老いた技術者たちは述懐していたという。
新中国成立後、乾燥した土地が雨を得たように、古老たちの才能が花ひらき、西鳳酒は鳳凰が羽をひろげて空高く飛ぶようにその名称を受け継ぎ、1956年には国家が投資して柳林鎮に西鳳酒廠が建てられ、名酒の伝統を今日まで発展させてきている。

西鳳酒の原料は、この地方特産の精選された高粱で、大麦(60%)、えんどう豆(40%)を麹にし、井戸水を使って造られる。その工程には立窖、破窖、頂窖、円窖、挿窖、挑窖など、精細をきわめた順序と技術が要求される。発酵の穴蔵は古いものを使わず、新窖を使い、発酵期間は14~15日、この二つが醸造法の特徴である。

西鳳酒は蒸留後、柳の枝で編んだ籠に血料紙という豚の血と石灰をまぜてつくったものをはりつけてつくった容器(酒海)に入れ、三年間貯蔵してから出荷する。
酒海は多く貯蔵できる上に欠減が少なく、酒質が良くなり、芳香がさらに濃くなるといわれている。


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